クリニックにおけるキャッシュレス決済導入のメリットと選び方
2022.4.1
医院開業を考えられている方に向けて、検討しておきたいキャッシュレス決済導入について解説します。
クリニックでは信頼性が重要で、キャッシュレス決済導入はそれほど重要ではないと考えられていませんか?
しかし医療機関における現金以外の決済法導入率の低さを考えると、導入により競合との差別化がはかれ、集患率に影響を与える可能性も十分にあります。
現金以外の決済法導入には手数料がかかるデメリットがありますが、それ以上のメリットを得られることも考えられるでしょう。
そこで今回の記事では、クリニックにおいて現金以外の支払い方法を取り入れることのメリットと、決済サービスの選び方について解説します。
現金以外の決済法でどのようなメリットが得られるのか、どのように導入するサービスを選べばよいのか悩んでいる方にとって参考にしていただける記事です。
キャッシュレス決済とは
キャッシュレス決済とは、現金を使わない支払い方法のことです。
最近ではさまざまな種類の現金以外の決済法が揃っていますが、次のようなものが代表的です。
【キャッシュレス決済の種類】
- ・クレジットカード決済:Visa・JCB・MasterCardなどのクレジットカードによる決済方法
- ・電子マネー決済:iD・QUICPay・nanaco・楽天Edy・交通系ICカードなどによるタッチ決済
- ・QRコード決済:PayPay・LINE Pay・楽天Pay・d払いなどスマートフォンのQRコードを使う決済
- ・デビットカード決済:銀行口座を紐付いたカードを用いて残高から引き起こすタイプの決済
キャッシュレス決済ではカードやスマートフォンだけで支払いを済ませられます。
以上の4種類の決済方法では仕組みは少しずつ違いますが、現金を使わない支払い方法であることは共通です。
クリニックがキャッシュレス決済を導入するメリット
クリニックがキャッシュレス決済を導入することには、次のように多くのメリットがあります。
メリット1:受付の負担と会計の待ち時間減少
まずクリニック側のメリットとして、受付の負担と会計の待ち時間が減少することがあげられます。
現金を用意する時間やお釣りの計算・受け渡しがなくなるため、レジ作業を行う必要もなく会計がスムーズになるためです。
また釣り銭の補充などの業務も不要になるため、受付の負担を軽減させられるでしょう。
メリット2:患者の金銭的・心理的負担の軽減
患者にとっては、金銭的・心理的負担が軽減されるメリットがあります。
クリニックでの支払いは、いくらになるか予想がつきにくいものです。
患者は「手持ちの現金で足りるか」との不安や、高額な支払いを求められる負担などを感じがちになります。
しかし現金以外の決済法に対応していれば、クリニックで手持ちの現金より高額な会計となっても対応でき心理的負担が軽減されるはずです。
また利用によりポイントが付与される方法が多く、患者の金銭的負担も軽減されます。
以上のように現金以外の決済法を取り入れることは、クリニックだけでなく患者にとってもメリットの多い決済手段です。
メリット3:集患率向上
患者にとって負担の少ないキャッシュレス決済ができるようにすることで、集患率を向上させられる可能性があることもメリットです。
普段から現金以外の決済法を利用しているユーザーにとって、導入されているかどうかがクリニック選びのポイントとなり得ることもあるでしょう。
最近では多くのユーザーが現金以外の決済法を利用しており、導入することで来院促進ができるようになります。
また、下記で紹介しますが、まだキャッシュレス化が進んでいない現状があるため、いち早くキャッシュレス決済を取り入れていけば、競合との差別化ともなり得ます。
導入することで、「選ばれるクリニック」になり、集患率が高まることが期待されます。
クリニックや歯科医院のキャッシュレス決済の現状
それではクリニックや歯科医院でのキャッシュレス決済導入の現状について確認しておきましょう。
クレジットカード決済導入はクリニックの約半数
クリニックの中でクレジットカードでの決済を行っているのは、約半数だと報告されています。
厚生労働省の調査によると、クレジットカード・デビットカードの導入率は49.0%。
特に現金支払いでは未払いが起こり得る外国人患者受入医療機関にて導入率が高く、実に98.7%ものクリニックが導入済みです。
また患者にとって現金を用意する時間がない救急医療機関でも導入率が高く、導入済みkが67.0%との結果となりました。
医療機関全体でも49.0%と、約半数のクリニックがクレジットカードでの決済を行っていることがわかります。
出典:厚生労働省:(PDF)医療機関における外国人患者の受入に係る実態調査結果報告書
クレジットカード以外のキャッシュレス決済普及は進まず
クレジットカード決済を行っているクリニックは多いものの、その他のキャッシュレス決済に関しては普及が進んでいないのが現状です。
電子マネー決済を行っていると答えたクリニックは、全体の2.2%にとどまりました。
クレジットカード決済導入率が高かった外国人患者受入医療機関でも3.7%、救急医療機関では3.1%との報告です。
QRコード決済についてはさらに導入率が低くなります。
導入率は医療機関全体、救急医療機関ともに0.2%、外国人患者受入医療機関でも1.1%との低さです。
以上のように電子マネー決済・QRコード決済を行っているクリニックはごくわずかと報告されています。
出典:厚生労働省:(PDF)医療機関における外国人患者の受入に係る実態調査結果報告書
クリニックがキャッシュレス決済サービスを選ぶ際のポイント
これからキャッシュレス決済を導入していきたいと考えている方に向けて、クリニックが決済サービスを選ぶ際の2つのポイントについて解説します。
ポイント1:利用者数が多い決済サービスを選択
現金以外の決済法を新たに取り入れるなら、利用者数が多い決済サービスを選びましょう。
せっかく導入したとしても、利用する患者が少なければ恩恵を受けられません。
利用者が多いのはクレジットカード決済だとされています。
しかしすでに導入しているクリニックへの調査では、決済サービスごとに次のような種類が多く用いられているとのことです。
【医療機関で多く導入されているサービス】
クレジットカード決済 |
Visa(96.8%) MasterCard(93.7%) JCB(91.8%) |
電子マネー決済 |
Suica(67.7%) PASMO(58.9%) ICOCA(46.8%) |
QRコード決済 |
Alipay(25.0%) WeChat Pay(25.0%) |
出典:厚生労働省:(PDF)医療機関における外国人患者の受入に係る実態調査結果報告書
以上の結果は決済サービスの利用者数ではありません。
しかし多くのクリニックで導入されているなら、利用者数が確保できていると考えられるでしょう。
クリニックで現金以外の決済法を取り入れたいと考えている場合は、上記の結果を参考にして導入するべきサービスの種類を検討してください。
ポイント2:患者の年齢層にあわせて選択
キャッシュレス決済をより多く利用してもらうためには、患者の年齢層にあわせることも重要です。
年齢層により利用する決済サービスには偏りが見られます。
若い人ではQRコード決済、電子マネーの利用とともに、クレジットカードの利用率も高い傾向です。
その反面、高年齢の方ではクレジットカードをメインとして考えている方が多いとされています。
ただし株式会社ジェイエムエスの調査によると、60歳以上の方の53.2%が医療機関で電子マネーを利用したいと回答したとの報告も。
出典:PRTIMES:60歳以上のシニアの53.2%が、電子マネーを使いたい場所に「歯科医院などの医療機関」と回答!
最近では高年齢層の方でも電子マネー決済やQRコード決済を利用する率が増えてきていると考えられます。
しかし高年齢層の方にクレジットカード利用者が多いことも考慮しながら、導入するキャッシュレス決済サービスを選択してください。
クリニックでのキャッシュレス決済導入には多くのメリットが
いかがでしたでしょうか?今回は、クリニックでのキャッシュレス決済導入について解説してきました。
自院にとって現金以外の決済法が必要か判断する材料となりましたでしょうか?
プラザ薬局では決済手段なども含めて、医院開業を成功させるため、親身になって寄り添うサポートを提供しております。
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