医院開業までの流れ
2020.4.16
医院開業を目指しているドクターたちは、日々の責務をこなしながら、準備を進めなければなりません。
開業準備に関することは一通り書籍などで学んだとしても、多忙な予定をこなしながら、どのように取り組んでいけばいいのか迷うことがあるでしょう。また医院開業のプロセスには、幾つかの落とし穴も潜んでいます。
ここでは、失敗を避けながら効率よく開業までのステップを進めるために、覚えておくべき点をまとめています。
開業するってこんなコト
まずは医院開業するとはどういうことなのか、実態を把握しておく必要があります。
多くのドクターは自分のクリニックを持つことによって、自分の裁量で自由なペースで診療をしたいと思うものです。
または、勤務医である時には実現できなかった、自分独自の診療スタイルを確立したいと考える人もいます。
他にも、自分が育った地域の医療に貢献したいと思って、Uターンして開業する人もいます。そしてもちろん、独立開業によって収入を増やすことも可能です。
しかし、実際のところ医院開業するということは、メリットだけではありません。
デメリットやリスクもありますから、それを把握してから開業計画を立てていく必要があります。
また、都心部への人口集中に伴い、地方の過疎化が進んでいます。
都心部は家賃がますます高くなり、地方では患者の獲得競争が激化しています。
地域の中で目立つ特徴を備えたクリニックとしたり、休日・夜間診療を積極的に担ったりするなど、順調なクリニック経営のためには創意工夫や努力が求められるでしょう。
まずやるべきこと
医院開業を決めたらまず、クリニックのコンセプトをはっきりさせることをおすすめします。
なぜ開業したいのか、どのようなクリニックとしていきたいのかを具体的に考え、それを目標として準備を進めて経営していくのです。
医院開業を進めていくためには、大小様々な決定をしていかなければなりません。初めにコンセプトをはっきり決めておけば、判断材料とすることができます。
たとえばクリニックの名称をどうするかなどは、どんな決定でも大丈夫ではありますが、長く使う名前をどうするかは迷うテーマでもあります。
的確に決定して計画を進めていくために、クリニックの軸となるコンセプトを決めておくことは役立ちます。
コンセプトが定まれば、実際の開業準備を進めていくことになります。まずは開業地を選び、立地や診療圏の調査、物件の状態などをチェックしていきます。医院開業する前に、10年20年先を見据えて医院経営を続けていける場所を選ばなければなりません。
その後、具体的な事業計画を立てていきます。全体でどれだけの資金が必要なのか、そのうち幾らを借入するのかを考えます。そして収支を計算し、損益計算書を作成していきます。
キャッシュフローを計画できれば、その後資金調達を行っていきます。金融機関から借り入れをするためには、何度も相談しながら計画を調整していく必要があるでしょう。
そして予算が決まれば、医療機器を選定して購入したり、行政手続きをしたり、内装設計して工事を進めたりという作業を、並行して進めていくことになります。運転資金としては開業エリアにもよりますが、一般的な内科で1500~2000万円ほどが目安です。
医院開業するということは、医者としてだけではなく経営者としても、様々な業務をこなさなければなりません。
その中には、チラシや看板を手配したり、ホームページを開設したりするなどの、広報や広告活動も含まれます。
クリニック経営のためにはスタッフを集める必要もありますから、求人広告を出して面接を行い、就労規則を定めるなど、人事労務も行わなければなりません。会計や税金処理なども大切です。
業スケジュール
大まかなスケジュールとして、準備は医院開業予定日の5ヶ月前くらいから始まります。まずは土地や建物に関するプラン、資金や医療機器に関するプラン、そしてマーケティングプランも早めに取り掛かるのが賢明です。
クリニックの内装工事は、医院開業予定日の1ヶ月ほど前には完成させ、検査や医療機器の導入を進めていきます。
薬局の開設は医院完成の1ヵ月前にスケジュールを組むのが一般的です。
スタッフは1ヶ月前には採用を終えて研修に入る必要がありますので、2-3ヶ月前には求人を始めるのが良いでしょう。一度や二度の面接では決まらない可能性もあるため、余裕を持った面接採用計画を立てておくことをおすすめします。
医院開業は専門業者のサポートを得る
医院開業のためには、考えなければならないことや、やらなければならないことがたくさんあります。
慎重に決定したいものですが、時間を掛けすぎても上手くいきません。一人で何もかも抱え込むよりも、都度信頼できる人に相談したり、助けを求めたりしていくのが賢明です。
医院開業のプロフェッショナルなら、落とし穴を避けて順調なクリニック経営をスタートさせるために、的確な助けを差し伸べてくれるので、おすすめです。