クリニック開業時に考えたいオンライン診療とは?ポイントも確認

2022.4.1

新型コロナ禍ウイルスの流行拡大を受けて多くのクリニックで導入し始めたのが、オンライン診療です。これから開業するにあたり、オンライン診療を取り入れたいと考えているドクターもいるのではないでしょうか。

ですが、インターネット環境さえあれば問題なく行えると考えてしまうと、失敗しやすいです。

 

そこで「オンライン診療について正しく理解し、適切に取り入れていきたい」と考えている方のため、ポイントを紹介します。この記事を読むことによって、そもそもオンライン診療とは何か、何を準備すれば良いのかがわかります。

また、オンライン診療を行うメリットやデメリット、確認しておきたいルールについても紹介するので、参考にしてみてください。

 

オンライン診療とは

オンライン診療とは、インターネットに接続されたスマートフォンやタブレットなどを通し、診察が受けられる診療形式のことをいいます。

患者さんは診察の結果を受けて、薬を処方してもらうことが可能です。医師は患者さんが希望する薬局にFAXなどで処方せんを送信します。患者さんはその薬局に直接取りに行く、または自宅まで郵送してもらうなどの方法で薬を受け取れるのが特徴です。

 

診察内容は、直接会って行う対面型の診療と基本は変わりません。そのため、医師と患者さんがお互いにビデオ通信するためのシステムを用意し、顔を見ながら診察をしていく形になります。患者さんは手軽なスマホなどを活用するケースが多いです。

 

オンライン診療の導入で準備が必要なもの

オンライン診療を始める場合、いくつか用意しておかなければならないものがあります。最低限必要なものとして、以下を用意しておきましょう。

 

必要なもの1 通信機器

患者さんはスマホを使うことが多いものの、操作性などを考えると医師側はパソコンを用意しておいたほうが良いです。パソコンのスペックが良くないとカクついたり、止まったりすることがあるので注意しましょう。

インターネット環境も整えておきます。

 

必要なもの2 ヘッドセット

ヘッドセットとして、マイクとイヤホンを用意します。スピーカーを使う方法もありますが、患者さんの言っていることがよく聞こえないこともあるので、イヤホンを用意しておいたほうが安心です。

また、パソコン備え付けのマイクはパソコンによって性能が大きく異なり、患者さんにうまく声を届けられないこともあります。オンライン診療を行うのであれば、聞き取りやすいマイクも用意しておきましょう。

 

必要なもの3 カメラ

自分の映像を映しながら患者さんとやりとりをすることになります。そのため、カメラは必須です。ノートパソコンについているカメラを使う方法もありますが、パソコンの配置によっては下からのアングルになってしまい、高圧的に見える恐れがあります。

向きや置き場所を調整できるWebカメラについても検討してみてはいかがでしょうか。

 

必要なもの4 双方向の通信ができるアプリやシステム

お互いに顔を映しながら音声でのやりとりができるようなアプリ、システムなどを導入します。いろいろな種類があるので、自院に合っているものを選択しましょう。

 

必要なもの5 準備を整えるための初期費用

紹介してきた必要なものをそろえるためにかかる初期費用も準備しなければなりません。どの程度の品質、サービスにこだわるのかによってもかかる費用は変わってきます。

 

オンライン診療のメリット・デメリット

実際に自院でオンライン診療の導入を決定する前に、メリット、デメリットを理解しておきましょう。以下の確認が必要です。

 

メリット

新型コロナウイルスなどの感染症が流行っているとき、クリニックに直接足を運ぶことがないメリットが大きいです。患者さんは自身の感染リスクを下げられますし、医師も自院で集団感染が起こるリスクに備えられます。

 

また、患者さんは直接クリニックまで行かなくて良いので、診察を受けやすくなるのがメリットです。忙しくて通えない患者さんに対してもオンライン診療を受けてもらえば、治療の継続率も高まるでしょう。

 

自宅で診療を受けられるので、これまで遠くて定期的にそのクリニックに通うことを悩んでいたような新規患者の獲得につながることも期待できます。患者さんとの直接的なやりとりが少なくなる分、事務スタッフの負担が軽減されるのもメリットです。

 

デメリット

デメリットとしては、あらかじめ準備を整えておかなければならないこと、導入するシステムによっては費用がかかることなどが挙げられます。

また、特に高齢の患者さんの場合、端末の操作に対応できない可能性もあるでしょう。具体的な操作方法を説明するなどの対策が必要です。

 

それから、オンライン診療はすべてのケースで向いているとはいえません。直接対面で診なければわからない診療には向いていないので、診察の結果などによっては直接足を運んでもらう必要があります。

 

オンライン診療にはルールがある

オンライン診療は、自院ルールで独自に始め、患者さんに対応していけば良いものではありません。ルールが定められています。

厚生労働省が平成30年3月に発表したものを確認してみましょう。

 

まず、医師だけでなく、患者もオンライン診療に対して合意している必要があります。

また、原則として初診のオンライン診療は認められません。これは、オンライン診療だとWebカメラとマイクを通して得られる情報しかないため、適切な診断ができない可能性があるからです。オンライン診療を問題なく行うためには、事前に対面で診察を行い、信頼関係を構築しておくことが必須とされています。

 

それから、原則急病急変患者はオンライン診療では対応できないことや、患者から診療計画の同意を得ておくことなどなどが定められています。

他にも詳細な条件が定められているので、必ず事前に確認しましょう。

 

特に最低限遵守する事項についてはよく理解が必要です。

参考:(PDF)厚生労働省:オンライン診療の適切な実施に関する指針[PDF]

 

ルールをよく確認して適切なオンライン診療を

いかがでしたでしょうか?導入するクリニックが増えているオンライン診療について紹介しました。メリットやデメリットなどについてご理解いただけたのではないでしょうか。実践する際には必ずルールを確認し、それに沿った形で行いましょう。

 

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