サブスペシャリティ29領域とは?既存と新専門医制度

2022.2.1

サブスペシャリティ29領域や既存専門医療と新専門医療制度の違いなどを詳しく理解していますか?

 

専門医資格は、わかりやすい証明や患者さんへの安心感にもつながるため新規患者が医院を選ぶ際の一つの指針にもなります。

以前は2002年から開業医は専門医資格を広告に記載していいと定められました。

その影響で専門医の種類が一気に増えたため、専門医の質を保つために2011年新しい専門医制度(サブスペシャリティ)が導入されました。

 

それでは、サブスペシャリティ29領域や既存専門医制度と新専門医制度の違いについて詳しく紹介していきます。

既存の専門医制度と新専門医制度の違いとは

まずは、既存の専門医制度と新専門医制度の違いについて理解していきましょう。

両者の違いは取得に向けた目的です。

 

既存の専門医制度は、各学会が運用している認定プログラムを修了で専門医の資格を取得できます。

これは診療料の一定の知識や技術がある証明となり、医師が希望するキャリアに応じて取得します。

 

種類はかなり多く、内科専門医や外科専門医などのよく知られているものから糖尿病専門医・頭痛専門医・温泉療法専門医などかなり細分化されていました。

しかし、その種類の多さと各学会が独自に認定プログラムを運用していることから、専門医の質を担保するのが難しいという問題が見えてきました。

 

そこで、新専門医制度はより専門医の質を高め、より良質な医療の提供を目的とし、それぞれの学会で独自運用された認定プログラムではなく中立的な第三者機関に運用を任せています。

 

第三者機関である日本専門医機構に任せて、資格認定基準の統一化を図ります。

新専門医制度の19の基本領域とは

新専門医制度では、19の基本領域とこの基本領域以上により専門性の高い29のサブスペシャリティ領域から構成されています。

まずは基本領域の専門医について知っていきましょう。

 

基本領域の専門医を取得するためには、臨床研修(初期検研修)の終了したのち3年以上の養成機関が必要です。

専門医取得するための指導を受けられる病院で働きつつ、研修を受け専門医として認定を受けます。

 

下記が基本領域19学会(18学会と1団体の合計)の一覧です。

  1. 日本医学放射線学会(放射線専門医・放射線治療専門医・放射線診断専門医)
  2. 日本眼科学会(眼科専門医)
  3. 日本形成外科学会(形成外科専門医)
  4. 日本外科学会(外科認定医・認定登録医・外科専門医)
  5. 日本産科婦人科学会(産婦人科専門医)
  6. 日本小児科学会(小児科専門医)
  7. 日本耳鼻咽喉科学会(耳鼻咽喉科専門医)
  8. 日本整形外科学会(整形外科専門医)
  9. 日本精神神経学会(精神科専門医)
  10. 日本内科学会(認定内科医・総合内科専門医)
  11. 日本脳神経外科学会(脳神経外科専門医)
  12. 日本泌尿器科学会(泌尿器科専門医)
  13. 日本皮膚科学会(皮膚科専門医)
  14. 日本病理学会(病理専門医)
  15. 日本麻酔科学会(麻酔科認定医・麻酔科専門医)
  16. 日本臨床検査医学会(臨床検査専門医)
  17. 日本救急医学会(救急科専門医)
  18. 日本リハビリステーション医学会(リハビリステーション科専門医)
  19. 日本専門医機構(総合診療専門家)

一つの学会で複数の専門医の認定を取り扱っている場合もあります。

新専門医制度の19の基本領域は、専門性がさらに高いサブスペシャリティ領域の専門医を取得するために必要なものです。

 

サブスペシャリティ領域に関連するものを取得しましょう。

新専門医制度の29のサブスペシャリティ領域とは

それでは次に、新専門医の29のサブスペシャリティ領域について紹介します。

サブスペシャリティ領域専門医とは、基本領域の専門医を取得したうえでサブスペシャリティ領域専門医を取得する2段階制です。

 

既存の専門医制度との違いは、初期研修の後先ほど紹介した基本領域の中から科目を選択・認定を受けた病院で研修を行い、その後経験症例数など活動実績査読・筆記試験を経て認定になる点です。

 

希望する場合のみサブスペシャリティ領域の研修・試験があります。

サブスペシャリティ領域専門医には、下記の29領域あります。

  1. 消化器病
  2. 循環器
  3. 呼吸器
  4. 血液
  5. 内分泌代謝
  6. 糖尿病
  7. 腎臓
  8. 肝臓
  9. アレルギー
  10. 感染症
  11. 老年病
  12. 神経内科
  13. 消化器外科
  14. 心臓血管外科
  15. 小児外科
  16. リウマチ
  17. 小児循環器
  18. 小児神経
  19. 小児血管
  20. がん
  21. 周産期
  22. 婦人科腫瘍
  23. 生殖医療
  24. 頭頸部がん
  25. 放射線治療
  26. 放射線診断
  27. 手外科
  28. 脊椎脊髄外科
  29. 集中資料

ただし、現状は総合診療医からすすめるサブスペシャリティ領域は無いので注意してください。

 

また、サブスペシャリティ領域の専門医は基本領域よりも専門性が高いのが特徴です。

そのため、該当のサブスペシャリティ領域を取得するには、基本領域の段階で関連するものを取得する必要があります。

 

例えば、循環器の専門医を取得する場合は、基本領域で内科や小児科専門医の取得が必要です。

研修方法にはプログラム制とカリキュラム制の2つがあります。

 

プログラム制は年次(例えば3~5年間)ごとの研修プログラムです。

このプログラムに沿って到達目標を達成し、一つの基幹施設だけではなく複数の施設を縦貫しながら研修を行います。

 

カリキュラム制は定められた到達目標を達成したときに専門医試験の受験資格を取得できます。

研修年に制限はありませんが、プログラム制の年限を下回らないようにしましょう。

 

このように、新専門医制度では研修修了時点で医師としての方向性をある程度は考慮しておくことが重要です。

常に将来を見据えて、目的意識を持って研修に取り組むことが求められます。

サブスペシャリティ29領域や既存専門医制度と新専門医制度

サブスペシャリティ29領域や既存専門医制度と新専門医制度についてわかっていただけたでしょうか?

医療は日々進化しているため、それに対応するためにいろいろな制度が作られ更新されています。

 

そのため、常に新しい知識を取り入れ続ける必要があります。

 

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