テナントでのクリニック開業のメリットや確認すべきポイントや注意点
2022.4.1
新たにクリニックを開業しようと考えた際、新築戸建てで始めるのはリスクを感じている方もいるでしょう。開業資金に十分な余裕があれば良いのですが、そうでない場合は資金的な問題も出てきます。
そこで、多くの医師から選択されているのが、テナントビルへの入居です。新築戸建てで始めるのに比べ、費用面でのリスクを大幅に抑えられます。
ただ「自院の場合、テナントが向いているかわからない」と悩んでいる方もいるのではないでしょうか。そこで、テナント入居で期待できるメリットや、契約を決める前に確認しておきたいポイントについて紹介します。
この記事を読むことによって、テナントならではの魅力や、注意すべきポイントがわかるので、参考にしてみてください。
テナントで医院開業するメリット
テナントで医院開業することにより、さまざまなメリットがあります。特に代表的なメリットについて紹介します。
メリット1 戸建てに比べて初期費用を抑えられる
これから新規で戸建てのクリニックを建てようと考えると、かなりの費用がかかります。ですが、テナント入居であれば費用を抑えられるのがメリットです。
将来的に戸建てのクリニックを持ちたいと考えている方も、軌道に乗るまではテナントで検討してみてはいかがでしょうか。初期費用を抑えられれば、浮いた費用で他の医療機器を購入するなども可能です。
メリット2 物件の選択肢が多い
クリニックを開業できるようなテナント物件は数多く存在しています。そのため、豊富な選択肢の中から自院のイメージに合ったテナントを選択できるのがメリットです。
駅前など、人通りが多いところに戸建ての物件を用意しようと考えると、かなりの費用がかかります。
一方、テナントであれば選択肢が豊富で、立地環境の良いテナントが選択できれば集客もしやすくなるでしょう。
メリット3 移転を検討しやすい
将来的に他にさらに立地条件が良いところが見つかった際、戸建てに比べると移転を検討しやすいです。移転のほか、撤去もしやすいのはメリットの一つといえます。
テナントで医院開業する際にチェックするポイント
テナントで医院開業を検討しているのであれば、いくつかテナントのチェックポイントがあります。選択肢が豊富である分、どのテナントを選ぼうか悩んでしまいますが、以下に注目してみてください。
チェックポイント1 立地条件が良い
特にこだわりたいのが立地条件です。多くの方に認知してもらえるかどうかは重要なのですが、通いやすいかについても必ず確認しておきましょう。
安定してクリニックの経営を行っていくためには、かかりつけ医として選んでもらうことが重要です。かかりつけ医になれれば何かを体調不良があった際や、持病の相談などで定期的に相談してもらえます。しかし、クリニックが通いにくい場所にあった場合、なかなかかかりつけ医として選んでもらえない可能性も高いです。
患者さんの立場に立って通いやすいかどうか考えましょう。例えば、自宅から直線的な距離は近いけれど、テナントと駐車場が離れているようなケースもあります。他に、テナントが上層階でエレベーターがない場合も同様です。下層階でエレベーターがあっても、エレベーターの降り口から長く歩かなければならないケースもあるでしょう。こういった条件に該当してしまうと「通いにくい」と思われてしまうことがあります。
自宅から多少近くても、駐車場を降りるとすぐにテナントへの入り口があるクリニックを選ぶ患者さんも多いです。また、テナントが入っているのが上層階でも、エレベーターを降りてすぐ横であれば気にしない方もいます。
車やバス、電車、タクシー、自転車などさまざまなアクセス方法があるので、このあたりも含めて立地条件が良いかを考えましょう。
初めて来院する患者さんのことも考えると、わかりやすい場所にあるかどうかも重要です。
こちらの記事で、クリニック開業に必要な駐車場の台数やチェックしておくべきポイントをご紹介しております。
車やバス、電車、タクシー、自転車などさまざまなアクセス方法を使ってクリニックにいらっしゃいますが、駐車場があることで便利に利用できる大きなポイントになりますので、ぜひ併せてご覧ください。
クリニック開業に必要な駐車場の台数やチェックしておくべきポイント
チェックポイント2 外観の印象が良い
戸建てのクリニックの場合、その横を通り過ぎた際などにチラッと中の様子を確認できます。ですが、2階以上上の階に入っているテナントクリニックの場合、外から様子がわかりません。
患者さんからすると、外観からわかる印象で判断しなければならないポイントも多いです。
そのため、テナントビルの壁が汚れているような場合は、クリニックに対しても不安な印象を持たれてしまうことがあります。エレベーターや階段などについても同様です。実際に足を運び、クリニックに入らなくてもわかる外観や、その周囲の印象を確認しましょう。
チェックポイント3 電源や天井までの高さ
そのテナントに入っていたのがもともとクリニックであればほぼ心配はいりませんが、そうでない場合は電源の容量は忘れずに確認しましょう。
医療機器の中にはかなりの電力を必要とするものがあります。特に大型の検査機器は大容量の電源が必要になることもあるので、注意が必要です。単層200Vが引き込まれているかチェックしてみてください。
天井の高さについては、導入する医療機器によって必要な高さが変わります。例えば、天井走行式X線装置を導入しようと検討しているのであれば、2,700mmは必要です。
契約を結んだ後に予定していた医療機器が入れられなかったとなると大変なので、注意したいポイントといえます。
チェックポイント4 安全面の問題
テナントの中でも古くに建てられたものは、人体に悪影響を及ぼすアスベスト含有建材が使用されていることがあります。建築が平成18年以降であれば心配はいりませんが、確認しておきましょう。
安くて良いテナントを見つけたところ、耐震性の不安が大きかったといったケースもあるので、安全性のチェックも重要です。
チェックポイント5 上下階や周辺テナントの業種
近くにどのようなテナントが入っているのかも確認しておいたほうが良いです。例えば、焼肉店などがある場合、患者さんはにおいを気にしながら治療を受ける形になってしまいます。
学習塾が入っているような場合についても同様です。時間帯によってエレベーターが独占されたり、話し声や走る音などが気になってしまったりすることも多いです。患者さんが落ち着いて、安心して治療を受けられる環境かどうかもチェックしましょう。
テナント契約時の注意点
テナントの確認をして問題がなければ、次は契約に関する注意点も確認しておきましょう。以下のようなことが挙げられます。
注意点1 契約期間の確認
契約方法のうち、定期借家契約と呼ばれるものは10年以内の契約期間が定められていることが多いです。10年以上を入居し続けることはできません。
さらに、早く退去を希望する場合も残り期間中の賃料を全額支払う必要があります。定期借家契約は注意すべきポイントが多い契約方法なので、事前に良く確認が必要です。
注意点2 医療機器が搬入できるか
特に大きな医療機器の場合、テナントによっては搬入が難しいケースがあります。必ず入れたい医療機器がある場合は、問題なく搬入できるか確認しましょう。
注意点3 将来的な周辺テナントの変更に関すること
契約時は問題なかったとしても、将来的に周囲のテナントが変わる可能性は十分にあります。自院に対して悪影響があるテナントを入れて欲しくないと考えているのであれば、貸借契約書に特約事項としてその旨の記載が必要です。
勝手には決められないので、事前に十分に話し合ったうえで明記してもらいましょう。ただ、家主からすると入居希望者がいても断らなければならない可能性が出てくるため、なかなか認めてもらいにくいです。
注意点4 ルールは詳細に確認
テナントによって細かいルールが定められています。例えば、利用時間が限定されていたり、土日祝日に利用できなかったりするようなケースも多いです。レイアウト変更が難しいこともあるので、どこまでできるのか、何ができないのか確認が必要です。
どのテナントを選択するかよく検討が必要
いかがでしたでしょうか。医院開業で選択されることが多いテナント入居について紹介しました。メリットや注意すべきポイントがご理解いただけたかと思います。
テナントといっても多くの種類があり、どこを選択するかによって期待できる集客効果や売り上げは全く違います。できるだけ好条件のテナントを探しているのなら、プラザ薬局までご相談ください。
競合のチェックはもちろん、視認性や生活動線、その他幅広い目線でテナント探しができるほか、資金に関する相談や税理士などの紹介も可能です。
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