薬学生にとって、5年生はもっとも大きな変化の年です。
教室での学びから一変し、実際の医療現場で患者さんと向き合う「実務実習」が始まります。
プラザ薬局でも毎年多くの薬学生の実務実習を受け付けていますが、
不安と緊張が入り混じった気持ちを持っている薬学生を多くお見受けします。
実習期間は合計22週間。半年近くに及ぶ実習を乗り切るためには、事前のスケジュール把握と準備が欠かせません。
「5年生から始まる実務実習、一体どんなスケジュールなの?」
「病院と薬局、それぞれ何をするの?」
という不安の気持ちを持つ薬学生も多いと思いますので、今回は、実務実習のスケジュールや事前準部についてまとめました。
実習前の皆さんの不安が少しでも減ると嬉しいです。
1. 実務実習の目的とは?「薬学生」から「医療人」への第一歩
実務実習の最大の目的は、「大学で学んだ知識を、医療現場でどう活かすか」を実践的に学ぶことです。
現場では、認定実務実習指導薬剤師の資格を持つベテラン薬剤師が皆さんの指導にあたります。単に調剤の仕方を教わるだけでなく、医師や看護師といった他職種との連携(チーム医療)や、患者さんへの接遇など、薬剤師に求められる資質のすべてを学ぶ場です。
そのため実習に行くためには、4年生の終わりに実施される共用試験(CBT・OSCE)に合格していなければなりません。
さらに大学で行われる5週間以上の事前実習や事前学習、健康診断などをクリアした学生だけが、実習生になれます。
2. 4期制のスケジュール:いつ、どこで、どれくらい?
実習は第Ⅰ期から第Ⅳ期までの4つの期間に分かれて行われます。薬局で11週間、病院で11週間、合計22週間をかけて履修します。

2026年度の実務実習スケジュール(現5年生)
第Ⅰ期:2026年 2月16日(月)~ 5月3日(日)
第Ⅱ期:2026年 5月18日(月)~ 8月2日(日)
第Ⅲ期:2026年 8月17日(月)~ 11月1日(日)
第Ⅳ期:2026年 11月16日(月)~ 2027年 2月7日(日)
2027年度の実務実習スケジュール(次年度実務実習スケジュール)
第Ⅰ期:2027年 2月15日(月)~ 5月2日(日)
第Ⅱ期:2027年 5月17日(月)~ 8月1日(日)
第Ⅲ期:2027年 8月16日(月)~ 10月31日(日)
第Ⅳ期:2027年 11月15日(月)~ 2028年 2月6日(日)
原則的に実習は2期連続で行うので、第Ⅰ期に薬局・第Ⅱ期に病院というようなスケジュールになります。つまり約半年間、大学には通わず現場へ通う生活が続きます。
薬学部が4年制から6年制に変更された背景として、厚生労働省が「薬学生の教育を充実させたい」と要望を出したことが挙げられます。そのため期間を長期化させ、内容も統一することでより実践的な実習へと変化しました。
薬学生の皆さんは慣れるまで大変かもしれませんが、ぜひこの期間に積極的に学んでほしいと思っています。
3. 【薬局実習】地域医療の最前線を体験する11週間
薬局実習では、処方箋に基づく調剤だけでなく、地域住民の健康を支えるための機能を学びます。

薬局実習の主なカリキュラム
- 基礎:薬局の機能や法令、個人情報の取り扱いを学びます。
- 保険調剤:計数・計量調剤、監査、疑義照会の流れを体験。
- 実践:薬歴を活用し、患者さんに合わせた指導を実践します。
- 地域医療への参画:在宅医療への同行、OTC医薬品(市販薬)の販売、セルフメディケーションの支援などを学びます。
参考…https://www.mext.go.jp/content/1355408_01_2.pdf
調剤薬局に来る患者さんは一人一人状況が異なります。そのため相手の状況に合わせたフォローが必要となり、コミュニケーション能力が非常に重視されます。
4. 【病院実習】高度な専門性とチーム医療を学ぶ11週間
病院実習では、入院患者さんを対象とした高度な薬物療法や、他職種との連携がメインテーマとなります。

≪病院実習の主なカリキュラム≫
- 導入:病院組織の理解や安全管理について。
- 内服・注射薬等の調剤:外来・入院の調剤に加え、注射剤の混注作業も行います。
- 病棟業務実践:病棟薬剤師としてチーム医療に参画し、副作用のチェックや処方提案を学びます。
- DI・TDM:医薬品情報の収集や、血中濃度モニタリング(TDM)による適切な投与設計を学びます。
参考…https://www.mext.go.jp/content/1355408_01_2.pdf
≪病院実習のポイント≫
病院は調剤薬局より重症度の高い患者さんも多く、医師や看護師と密接に連携を取りながら患者さんの治療に当たります。より深い薬理学の知識と、様々な職種の人たちに対する配慮やマナーが求められます。
5. 実務実習中はどのように振る舞えばいいの?
「実習先で迷惑をかけたくない」
「患者さんの命に係わるかもしれないし失敗したくない」
と考える人もいるかもしれません。確かに、薬局や病院では慎重な行動が求められる場面も多々あります。
ですがそれを理由に消極的になってしまい、勉強の機会を自分から減らしてしまうのはとてももったいないです。
実習前の準備として、身だしなみや社会人としてのマナーを身に付けることもとても大事ですが、「自分から学びに行く意識」を育てておくこともお勧めします。
もちろん指導者の指示を守ることは大前提ですが、積極的に取り組みましょう。
また「言われたからやる」ではなく「この実習から自分は何を学んだか・どう感じたか・これからどう生かすか」まで踏み込んで考えてみてもいいかもしれません。
「こんな人(薬剤師)になりたい!」と思える先輩を探してみるのも面白いと思います!
まとめ:実務実習は「卒業後の自分」を意識する大事な時間
実務実習は22週間と長く大変ですが、現場を学べる貴重な機会です。
病院と薬局の2つの現場で実習を受けることで「自分はどこで、どのように働きたいのか?」が明確になる人もいるでしょう。
実習を単なる実務を学ぶ時間ではなく自分の将来を充実させるための時間と考え、できる限りたくさんのことを吸収してください。
6年生での国家試験対策のモチベーションになり、その先の薬剤師人生の土台になります。
皆さんの実務実習が、実り多きものになることを心から応援しています!
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